どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

【出逢い編07】PUFFYとキムタク

帰りはいつも、各駅停車に乗ってゆっくりと帰るのがいつものパターンで、その日も帰宅ラッシュの時間を避け、のんびりと電車に揺られていた。

 

降りる駅まであと4駅というところで、携帯が鳴った。

その瞬間、直感的に今日、電話番号を渡したあのコーヒー売りの子だと感じた。

 

ちょうど駅に停車したので、降りてホームの椅子に座りながら電話に出た。

 

 

「もしもし」

 

「あっ、誰かわかる?」

 

「わかるよ。電話くれたんや」

 

「ほんまは電話する気無かったんやけど、友達にゆったら、面白そうやから電話してみいよ、って。変な人やったらすぐ切ったらええんちゃん、って。」

 

「そうなんや」

 

冷静を装いながら、変な人と思われないように慎重に言葉を選びながら話を続けた。

 

 

お互いの名前の話になり、当てあいっこになった。

 

先に相手の名前を当てることに。

 

「ヒント!いま流行ってる芸能人」

 

「ひかる?」

 

「ブー!」

 

「ユキ?」

 

「ブッブー!」

 

「ヒント!2人組!」

 

「はいわかった!PUFFYや!」

 

「ピンポーン!」

 

「どっちやろ、ユミ?」

 

「ピンポンピンポーン!」

 

「ほんじゃ、次俺の名前な。ヒントは有名芸能人」

 

「えー!全然わからん。もうちょっとヒント!」

 

「女の人からの人気がすごい」

 

「マサハル?」

 

「違う!違うけどおしい!」

 

「えっ!まさかのタクヤ?」

 

「ピンポーン!」

 

「絶対うそや~!」

 

確かにいきなり電話番号を渡してきて、電話してみると名前が"タクヤ"って嘘臭いことこの上ない。

だが、正真正銘"タクヤ"なのだから仕方ない。

 

でも、流行ってる芸能人でPUFFYって(笑)

 

この頃はPUFFYもキムタクも人気絶頂で、時代を感じる会話であった。