どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

【出逢い編11】隊長に任命

彼女を車で送っていった日から何日かたった日。

 

さーくんから連絡があり、女の子らと飲み会するんやけど、男の人数足りんから来てほしい、と頼まれた。

 

今でいう合コンである。

 

断る理由もないので、電車に乗ってさーくんの家まで向かった。

 

居酒屋が建ち並ぶ繁華街の駅前のロータリーで女性陣と待ち合わせらしい。

 

さーくんやよっしーと会うのは結構久しぶりだったので、近況報告をしながら盛り上がっていると、4人組の女の子が近付いてきた。

 

僕は目が悪く、日も沈みかけの時間帯だったので、ちゃんと4人の顔を確認出来なかったのだが、1人の女の子の前で視線が止まった。

 

どっかで... 

 

そう思っていると、その子が話しかけてきた。

 

「たくちゃんやんな!久しぶり!」

 

女の子で僕の事をたくちゃんと呼ぶのは、地元の子だけなので、すぐに思い出した。

 

彼女は藤川さん。同じ中学校だったが、小学校は違うとこだったし、中学3年間同じクラスになった事もない。ので喋った事もない女子だった。

見た目は普通の中の普通な女の子だ。

 

「えっ?自分ら知り合いなん?」

 

よっしーが割り込んできた。

 

中学校の同級生だと説明すると、よっしーは僕の肩を組み、少し離れて小声で耳打ちしてきた。

 

「ほんじゃ、今日はあの子担当な!」

 

どうやら、他の3人の方が見た目は良かったらしい。

 

凄く悪い言い方をすると、残飯処理班の隊長に任命されたのである。

 

こうしてみんな集まり、予約していた居酒屋に着いた。

 

4人は短大のときの友達ということで、喋り方も服装も今風な(当時の)感じだった。

 

 そこからは、みんなわいわいしていたのだが、僕は藤川さんをマンツーマンでぴったりマークしていた。

今思えば、藤川さんに悪い事したと思う。

僕という知り合いがいたせいで、他の男子とあまり話してなかったからだ。

 

僕と藤川さんは中学校の時の話や、共通の友達が現在何してる、とか、結構頻繁にプチ同窓会がある、とか話していた。

 

卒業して1回も同窓会の連絡なんて来てないのは僕だけだろうか?

 

そんな事をふと考えながら、横を見ると3人の女子達が、きゃぴきゃぴ喋っているではないか。

 

さーくんもよっしーも見た目はカッコいい。お世辞抜きにしてもカッコいいので、女子達の気持ちもわかる。

 

本当なら藤川さんもそこに参戦するはずだったのに本当に申し訳ない!

でも女子達?

さーくんもよっしーも中身、チョー変態やで?

 

そんな事を考えてたら、なぜかきゃぴきゃぴ喋ってる女子達に段々腹が立ってきて、居酒屋の次、カラオケに行く流れだったのだが、居酒屋の清算が終わって、僕は帰る事にした。

 

あまり遅くなると電車がなくなるというのもあったが、あんまりテンションも上がらないので帰る事にした。

 

藤川さん、頑張れ! と思いながら。