【出逢い編14】かみつきバアちゃん
僕は、結構マニアックなとこがあり、記憶力も良かったので、昔流行ったものとかを、鮮明に覚えていた。
ゆみも結構マニアックなとこがあったので、そんな僕の話にも引かずに乗っかってくれて、よく笑ってくれていた。
そんな会話の中でも印象的なのがこれ。
「なあなあ、かみつきバアちゃんって知ってる?」
「あ~!なんか知ってる!ってゆうか多分持ってた~!」
かみつきバアちゃんとは、昔、文房具屋さんでシャーペンの芯だったか、鉛筆だったかを買うともらえるバアちゃんの形をした消しゴムである。
歯の部分が入れ歯みたいに取れるようになっていて、鉛筆をくわえる事ができ、暗いところでは、歯の部分だけ光るようになっていた。
さすがにかみつきバアちゃんは覚えてないやろうと思ったが、知っているマニアックっぷりに僕は更に惹かれていったのである。
「かみつきバアちゃんって!今その言葉聞かんかったら、多分一生聞く事なかったわ!」
こんな感じで、お互いがお互いの持っているマニアックな知識や記憶を出しあって相手を笑わせる事に二人ともハマっていた。