1993年が終わり、1994年が始まって、短かった冬休みも終わり、3学期が始まる。 始業式の日は学校は午前中に終わるので、家で昼ごはんを食べた後は、いつものように、ヒロシの家に向かう。 5人とも家は近いので、歩きでもすぐに行ける距離だ。 ヒロシの家に着…
こうして僕らが高校生になった1993年が終わって、1994年が始まるわけですが、ここまでの話は、ほんの序章です。(笑) 5人のエピソードを少しだけ書かせてもらいました。ほんとはもっと色々あるんですが。ブログには到底書けないような事とか(笑) でも、ここま…
最後にアイススケートに行ったのは小学校5年の時くらいなので、5年ぶりくらいだ。 あの頃は、アイススケートが珍しく、近くにたまたまあったので、友達とよく行っていた。 受付でスケート靴を借りて、履き替える。 そしてリンクに入る。 ここで、恋人同志な…
要は、Kちゃんとタツヤが仲良くなれればいいわけだ。 2人で喋る状況を作り出せばいいのだ。 そして僕は行動に出た。 端っこに座っていた僕は、席を立ち、反対側の端っこに座っていたKちゃんの友達の隣に座った。 オーソドックス型から一瞬で、まさかのサンド…
僕らの住んでいる近くには、アイススケート場はなく、電車に乗ってちょっと都会まで出なければならない。 なので、駅で待ち合わせをする。 僕とタツヤはちょっと早めに駅に着いた。 「Kちゃんは、タツヤに気あるん?」 「さあ~?わからん。」 「そんなん好きじゃ…
いよいよ1993年も残り3日となった日の事。 この日はタツヤと出掛ける事になっていた。 なんとタツヤが高校の友達とアイススケートに行く、そしてその子が友達を連れてくるからこっちも2人で行く、という訳だ。 もちろん、相手は女の子である。 僕とタツヤは…
なんとか、バイト先までたどり着いた僕は、ひと仕事終えたような感覚だった。 厨房に入り、その時たまっている食器や、調理器具があれば、とりあえず洗う。 そして、床の排水口のグリストラップの掃除。そしてゴミを集めてゴミ置き場へ持っていく。 着いたら…
1993年も、もう終わりを迎えようとしている年末。 僕は悩んでいた。 どうやってバイトに行くかを。 僕らは5人とも同じところでバイトしている。 バイト先は、旅館というか、研修施設というか、会社の新人研修とかでよく使うような施設の厨房で、そこで晩ごは…
ショウジが彼女にフラれたクリスマスより少し前、もう2学期も終わろうとしていた頃。 僕とマコは僕の部屋にいた。 「準備出来たで、マコ。」 「痛いんちゃん?いけるかな?」 「いけるやろ?一瞬ちゃうか?」 目の前には、安全ピン、オキシドール、氷、ライター、…
こうして、ショウジにとっては最悪のクリスマス・イブが終わり、12月25日クリスマスになった。 この日は僕とショウジはバイトが入っていて、終わったのは9時半頃。 「タク、今からどうする?帰る?」 「ん~、そやなぁ、どこも行くとこないしなぁ、寒いしなぁ。」…
さっきまでは確かに無かった紙袋。 「ヒロシ、これ何やと思う?」 「ショウジのクリスマスプレゼントやろ?」 「もらったやつかな?あげようとしてたやつかな?」 そんな事を言っていると、ショウジが帰ってきた。 僕の分も買ってきてくれている。 買ってきてくれ…
こういう女の子がらみの時は、タツヤははっきり言ってあてにならない。 なので、タツヤグリーンはほっといて、タクブルーのソロ攻撃に出ることに。 「オッス!俺、タクってゆうんやけど、●●さんの友達やねんな。名前なんてゆうん?」 ...孫悟空か! と突っ込み…
話は少しさかのぼり10月。 彼女から文化祭のチケットをもらえるという吉報をショウジが持ってきた。 しかも、僕らの分もあり、計5枚。 しかも、女子高の文化祭。 みんなテンションがあがらない訳がない。 そして、11月になり、文化祭当日。 テンションの高い…
7分泣きのショウジを見ながら、2人とも目が点になってしまう。 すると、泣きながらショウジが 「やっぱ友達って最高やでな~。いや~、ヒロシかっこええわ~。付き合ってよ。」 「きしょいんやって!お前!」 ショウジは昔から、ちょっと気の弱い所はあるが、感…
目が点になっているショウジの横で僕は、ヒロシの発言に大きくうなずいていた。 「そらそやろ!ショウジ!人の彼女にちょっかい出す奴は、月に代わってお仕置きせな!」 「さすがタク。分かってるやん!」 もう僕もヒロシも完全に戦闘モードに入ってしまった。 「…
ショウジが続きを話し出すのを、僕とヒロシは必死に笑いをこらえながら聞いた。 「で、何で別れたいんか聞いたんやんか。そしたら他に好きな子できた。って。」 フラれる理由の中でもトップクラスにダメージの大きいフラれ方だ。 ショウジが続けて話し始めた。…
コンッ! コンッ! 「誰や?タツヤもマコも今日バイトやのに。」 そう言いながらヒロシは窓を開け、外を覗きこんだ。 ヒロシの部屋は2階の奥にあり、わざわざインターホンを押すのも家族に迷惑が掛かるということで、家の下に来たら舌打ちを鳴らす、というのが…
1993年12月24日 クリスマス・イブ バイトが休みだった僕は、ヒロシの家にいた。 ヒロシの部屋のステレオからは、ポール・マッカートニーのワンダフル・クリスマスタイムが流れている。 高校生になって初めてのクリスマス。 女っ気は全くない。 僕はタバコをふか…
【青春爆走編】を始める前に、簡単に登場人物の紹介だけしておきます。 タク 僕です。 ヒロシ カッコよく女子からも人気がある 中心的存在。 タツヤ 普段は無口で口下手。だが身体は 大きく、力は強い。 ショウジ グループ内一番のお調子者。涙も ろい所もあ…
1999年に当時付き合っていた彼女にフラれ、その後、有美と出逢い、付き合う事になるまでを描いた【出逢い編】でした。 今思えば、考えていたことが若いですね。 まあ、若干二十歳そこそこのクソガキなんで仕方ないですね。 僕が21歳、有美が19歳、二人ともま…
あまりの気まずさ。 あまりの沈黙。 それに耐えられなくなったのか、先に口を開いたのは有美だった。 「なんでそんな挙動不審なん?」 「そ、そう?全然そんなんちゃうし。」 「いやいや、怪しすぎるって。」 「全然怪しないし。」 若干、すね気味にまたタバコに火を…
「あのさ...」 覚悟を決めて言葉を発してみた。 「何?」 「有美の目に俺はどう映ってるん?」 彼女はちょっと驚いたような表情をしていたが、すぐに元の様子に戻り、考えこんでいた。 そこから、また沈黙が始まる。 体感的に1時間くらいに感じられる沈黙の空気は…
アヒルのおまるで盛り上がっているうちに、もう時間は11時を過ぎていた。 ここでふと、さっきの『キュンな関係』のことを思い出す。 そもそも『キュンな関係』って何だ? 俺の事、嫌いでは無いけど、別にそこまで好きでも無いって事か? だから、いまだに家…
隣の県まで車を走らせて、更に海に向かって走る。 家を出た時はまだ夕方だったが、もうすっかり真っ暗になっていた。 そして車は海に着いた。 海といっても浜辺ではなく、波止場だ。 船着き場があり、背面には倉庫が建ち並び、マフィアが秘密の取引をしてい…
僕が有美に電話番号を渡した日からもう1ヶ月が経とうとしていた。 食事も一緒に行き、カラオケも行って、何よりも会話の量が半端ではなかった。 僕はあまり喋るほうでは無いのだが、頑張っていたんだと思う。今思えば。 この日は、夕方からちょっと遠くまで…
彼女はその時、僕が聴いてきた女性の中でいちばん歌うのが上手かった。 誤解の無いように言っておくが、沢山の女性とカラオケに行った事がある。という訳ではない。 以前、カラオケ屋さんで働いていたので、ドリンクやフードを部屋まで運ぶ時に、色んな人の…
先日の初食事は、見事なまでに手応えもなく、唯一分かった事は、『極度の遠慮しい』という事だけであった。 ごはんを一緒に食べに行ったのであれば、次は当然カラオケである。 当時は今よりもかなりのカラオケブームであり、とりあえずカラオケ行っとく?み…
近くに住んでいるのに、特に会うこともなく、電話で話してばかりだった僕は、有美を食事に誘う事にした。 もうこの時点で結構仲良くなっていたので、すんなりと了承。 ただ、小学2年生の弟も連れてくる、というオマケ付きだ。 当然、弟に会うのは初めてで、…
僕は、結構マニアックなとこがあり、記憶力も良かったので、昔流行ったものとかを、鮮明に覚えていた。 ゆみも結構マニアックなとこがあったので、そんな僕の話にも引かずに乗っかってくれて、よく笑ってくれていた。 そんな会話の中でも印象的なのがこれ。 …
自分の気持ちに気付いてからは、毎晩電話で話していた。 長電話しすぎて、携帯が熱くなり、手のひらから汗が流れるくらい話をした。 どういう人間か知りたかったし、どういう人間か知ってほしかったので、ひたすら話し続けた。 近所なんやから、会って話せば…