【出逢い編15】用心深いね!
近くに住んでいるのに、特に会うこともなく、電話で話してばかりだった僕は、有美を食事に誘う事にした。
もうこの時点で結構仲良くなっていたので、すんなりと了承。
ただ、小学2年生の弟も連れてくる、というオマケ付きだ。
当然、弟に会うのは初めてで、どんな子か興味津々で、2人を迎えに行く。
しかし、まだ家の場所は教えてくれず、待ち合わせは駅前だ。
駅前に着くと、もう2人は待っていた。2人を乗せて、何が食べたいか聞く。
「何食べたい?」
「何でもいいよ。」
出た!女性特有の「何でもいい!」
大体、女性の「何でもいい」は何でもよくないものである。
何を食べに行こうか、考えていると、今まで一言も声を発さなかった弟がボソリ。
「ハンバーグ食べたい...」
弟よ!ナイスである!
こうしてハンバーグ屋さんに向かった3人だったが、結局、ハンバーグを食べたのは僕と弟の2人だけで、有美はジュースだけという、なんだかな~、という感じで初食事は終わったのである。
だいぶん仲良くなったとはいえ、やはりまだ僕に警戒心があるのだろうか?
そんな事を考えながら、2人をいつものように駅前まで送り、僕は1人家へ帰るのであった。