どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【青春爆走編06】愛情より友情?

7分泣きのショウジを見ながら、2人とも目が点になってしまう。 すると、泣きながらショウジが 「やっぱ友達って最高やでな~。いや~、ヒロシかっこええわ~。付き合ってよ。」 「きしょいんやって!お前!」 ショウジは昔から、ちょっと気の弱い所はあるが、感…

【青春爆走編05】ムチャクチャやな、おい!

目が点になっているショウジの横で僕は、ヒロシの発言に大きくうなずいていた。 「そらそやろ!ショウジ!人の彼女にちょっかい出す奴は、月に代わってお仕置きせな!」 「さすがタク。分かってるやん!」 もう僕もヒロシも完全に戦闘モードに入ってしまった。 「…

【青春爆走編04】持つべきものは友?

ショウジが続きを話し出すのを、僕とヒロシは必死に笑いをこらえながら聞いた。 「で、何で別れたいんか聞いたんやんか。そしたら他に好きな子できた。って。」 フラれる理由の中でもトップクラスにダメージの大きいフラれ方だ。 ショウジが続けて話し始めた。…

【青春爆走編03】聖夜にフラれる男

コンッ! コンッ! 「誰や?タツヤもマコも今日バイトやのに。」 そう言いながらヒロシは窓を開け、外を覗きこんだ。 ヒロシの部屋は2階の奥にあり、わざわざインターホンを押すのも家族に迷惑が掛かるということで、家の下に来たら舌打ちを鳴らす、というのが…

【青春爆走編02】クリスマスなのに!

1993年12月24日 クリスマス・イブ バイトが休みだった僕は、ヒロシの家にいた。 ヒロシの部屋のステレオからは、ポール・マッカートニーのワンダフル・クリスマスタイムが流れている。 高校生になって初めてのクリスマス。 女っ気は全くない。 僕はタバコをふか…

【青春爆走編01】はじめに

【青春爆走編】を始める前に、簡単に登場人物の紹介だけしておきます。 タク 僕です。 ヒロシ カッコよく女子からも人気がある 中心的存在。 タツヤ 普段は無口で口下手。だが身体は 大きく、力は強い。 ショウジ グループ内一番のお調子者。涙も ろい所もあ…

【出逢い編23】あとがき

1999年に当時付き合っていた彼女にフラれ、その後、有美と出逢い、付き合う事になるまでを描いた【出逢い編】でした。 今思えば、考えていたことが若いですね。 まあ、若干二十歳そこそこのクソガキなんで仕方ないですね。 僕が21歳、有美が19歳、二人ともま…

【出逢い編22】男らしいなぁ

あまりの気まずさ。 あまりの沈黙。 それに耐えられなくなったのか、先に口を開いたのは有美だった。 「なんでそんな挙動不審なん?」 「そ、そう?全然そんなんちゃうし。」 「いやいや、怪しすぎるって。」 「全然怪しないし。」 若干、すね気味にまたタバコに火を…

【出逢い編21】沈黙、そして沈黙

「あのさ...」 覚悟を決めて言葉を発してみた。 「何?」 「有美の目に俺はどう映ってるん?」 彼女はちょっと驚いたような表情をしていたが、すぐに元の様子に戻り、考えこんでいた。 そこから、また沈黙が始まる。 体感的に1時間くらいに感じられる沈黙の空気は…

【出逢い編20】言うのか?言っちゃうのか?

アヒルのおまるで盛り上がっているうちに、もう時間は11時を過ぎていた。 ここでふと、さっきの『キュンな関係』のことを思い出す。 そもそも『キュンな関係』って何だ? 俺の事、嫌いでは無いけど、別にそこまで好きでも無いって事か? だから、いまだに家…

【出逢い編19】波止場にて

隣の県まで車を走らせて、更に海に向かって走る。 家を出た時はまだ夕方だったが、もうすっかり真っ暗になっていた。 そして車は海に着いた。 海といっても浜辺ではなく、波止場だ。 船着き場があり、背面には倉庫が建ち並び、マフィアが秘密の取引をしてい…

【出逢い編18】キュンな関係

僕が有美に電話番号を渡した日からもう1ヶ月が経とうとしていた。 食事も一緒に行き、カラオケも行って、何よりも会話の量が半端ではなかった。 僕はあまり喋るほうでは無いのだが、頑張っていたんだと思う。今思えば。 この日は、夕方からちょっと遠くまで…

【出逢い編17】2番目に上手いだと?

彼女はその時、僕が聴いてきた女性の中でいちばん歌うのが上手かった。 誤解の無いように言っておくが、沢山の女性とカラオケに行った事がある。という訳ではない。 以前、カラオケ屋さんで働いていたので、ドリンクやフードを部屋まで運ぶ時に、色んな人の…

【出逢い編16】とりあえず歌いますか?

先日の初食事は、見事なまでに手応えもなく、唯一分かった事は、『極度の遠慮しい』という事だけであった。 ごはんを一緒に食べに行ったのであれば、次は当然カラオケである。 当時は今よりもかなりのカラオケブームであり、とりあえずカラオケ行っとく?み…

【出逢い編15】用心深いね!

近くに住んでいるのに、特に会うこともなく、電話で話してばかりだった僕は、有美を食事に誘う事にした。 もうこの時点で結構仲良くなっていたので、すんなりと了承。 ただ、小学2年生の弟も連れてくる、というオマケ付きだ。 当然、弟に会うのは初めてで、…