どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

【青春爆走編19】僕らのバイブル

1993年が終わり、1994年が始まって、短かった冬休みも終わり、3学期が始まる。

 

始業式の日は学校は午前中に終わるので、家で昼ごはんを食べた後は、いつものように、ヒロシの家に向かう。

 

5人とも家は近いので、歩きでもすぐに行ける距離だ。

 

ヒロシの家に着き、2階の窓に向かって、舌打ちを鳴らそうと、窓の方を見ると、ヒロシが窓の外にむけてタバコをふかしていた。

 

「おう!早いな。来んの。」

 

ヒロシがそう言い終わる前に、すでに僕は家に上がり込んでいた。

 

部屋に入り、とりあえずマンガを読む。

その頃、僕らがハマっていたのは、週刊少年マガジンで連載していた『特攻の拓』と、同じくマガジンで連載していた『湘南純愛組』だった。

 

ヒロシの部屋には、この2つの単行本があり、何回も何回も読みふけっていた。

 

「タク~、なんかおもろい事ないんかよ?」

 

「こないだ、タツヤとアイススケート行ったで。」

 

「もうそれ、何回も聞いたって。サブいし、サブかったんやろ?」

 

「なんか熱い事ないかなあ。」

 

そう言ってタメ息をしながら、またマンガを読んでいると、ヒロシが

「タク、熱い事、あるぞ。」

と言いながらニヤリとしていた。