どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

【青春爆走編15】まだクール気取ってんの?

僕らの住んでいる近くには、アイススケート場はなく、電車に乗ってちょっと都会まで出なければならない。

 

なので、駅で待ち合わせをする。

 

僕とタツヤはちょっと早めに駅に着いた。

 

「Kちゃんは、タツヤに気あるん?」

 

「さあ~?わからん。」

 

「そんなん好きじゃなかったら誘ってけえへんやろ。こんな寒いときに寒いとこへ。」

 

「さあ~?わからん。」

 

「連れてくる友達、どんな子かな?かわいいかな?」

 

「さあ~?わからん。」

 

お前は、『さあ、わからん人形』か!

と突っ込みたくなる気持ちを我慢して、タツヤに念を押しておく。

 

「かわいくなくても全然いいけど、さぶい子やったら俺帰るからな。スベるのはスケートだけでええねん。」

 

「おっ?タク、うまい事言うなあ。まあ、タクやったらいけるよ。」

 

なぜ、俺やったらいけるのか、意味がわからないが、なんとなく納得した。

 

そんな話をしていると、Kちゃんとその友達がやって来た。

Kちゃんは、同じ学校だが、喋ったことはない。基本、僕は学校でタツヤが仲のいい女子とは喋らない。

タツヤも自分の仲のいい女子と俺が喋るのは気が気でないと思う。

 

学校での自分のキャラをそんなに守りたいのか?俺が女子にタツヤの恥ずかしい秘密をばらすとでも?

 

Kちゃんの連れて来た友達に目をやる。

第一印象は良くも悪くも普通、である。

 

電車がすぐに来たので、とりあえず乗り込むと、電車はすいていたので、4人並んで座ることに。

この絵面だけでも、僕にとってはサブさ全開だ。

カップルが横に並んで座るのは普通。

4人だとどうなる?

オーソドックスに端から、男、男、女、女?

それともシャッフルで、男、女、男、女?

いやいや、まさかの、男、女、女、男?

 

まあ僕らはオーソドックス型に座った訳だが、そこがサブいポイントではない。

 

誰も率先して喋らないので、4人とも視線は真っ直ぐ前を見ている。

前の座席で口を半開きでウトウトしているおじいさんを4人で見ているのだ。

 

この時点で、すでに僕は帰りたかったが、多分、Kちゃんはタツヤの事が好きなので、そこは気を使って、今日は黒子に徹する覚悟をした。

 

にしても、タツヤは喋らない。Kちゃんはタツヤの性格をわかってないのか?

学校ではクール気取ってるだけだぞ?この男は。

女子の方からガンガン喋らないと、この男は喋らないぞ?

 

タツヤもなんか喋れや!気まず過ぎるやろ、この空気! 

 

そんな事を考えていたら、1人で勝手に気まずくなり、打開策をずっと探していた。