【出逢い編20】言うのか?言っちゃうのか?
アヒルのおまるで盛り上がっているうちに、もう時間は11時を過ぎていた。
ここでふと、さっきの『キュンな関係』のことを思い出す。
そもそも『キュンな関係』って何だ?
俺の事、嫌いでは無いけど、別にそこまで好きでも無いって事か?
だから、いまだに家まで送らせてくれないのか?
えっ?ほんじゃ、ずっとこんな感じの関係が続いていくの?
と、脳内はフル回転。この間わずか3秒。
考えれば考えるほどネガティブな方向に陥ってしまっていた。
少し考え込んでしまい、車内にはなんともいえない沈黙の空気が流れた。
いや、これはもう、今日中に白黒はっきりつけるべきやろう。
もしフラれても、その時はその時や。
頭の中で答えが出た。
そして沈黙を破った。
「あのさ...」
言葉を発した瞬間、車内の空気が一気に変わった。