【出逢い編04】コーヒー売りの少女
バンド活動も自然消滅のような感じになり、友達もあまり集まらなくなってきた頃、僕はいつも、さーくんとよっしーとつるんでいた。
二人とも僕よりも歳が1つ上で、その時は二人ともガチプーだったので、いつでもひまだったのである。
ただ、二人とも住んでいるところが少し遠く、遊ぶ時は僕が電車に乗って出向いていた。
別に何をするでもなく、さーくんの家でダベってたり、二人がよく行くという、地元のパチンコ屋さんに三人で行ったりしていた。
その日も三人でパチンコ屋さんへ行き、僕はさーくんが打っている隣に座り、打たずにさーくんの台を見ながらしゃべったりしていた。
するとその時、僕の視界に一人の女の子が飛び込んできた。
不思議の国のアリスのアリスが着ていそうななんとも奇抜なファッションだ。
よく見ると、その子はそのパチンコ屋さんでコーヒーを売っているワゴンサービスのバイトの子だった。
アリスファッションは制服だった事も納得できる。
現在ではパチンコ屋さんの中のコーヒーのワゴンサービスは当たり前になっていて、どこのパチンコ屋さんでも100%近い確率で常駐しているのだが、当時はまだ珍しかったのである。
まず、ワゴンサービスが珍しく、アリスファッション、最初に僕はそこに興味を持ってしまったのだった。