どうしようもないクズ男の半生記

今年で40歳になり、人生を折り返そうとしているクズ男の半生記です。

【青春爆走編04】持つべきものは友?

ショウジが続きを話し出すのを、僕とヒロシは必死に笑いをこらえながら聞いた。

 

「で、何で別れたいんか聞いたんやんか。そしたら他に好きな子できた。って。」

 

フラれる理由の中でもトップクラスにダメージの大きいフラれ方だ。

 

ショウジが続けて話し始めた。

「なんか、友達の彼氏の友達で、その友達も一緒に4人で遊びに1回だけ行ったらしいねんな。その時に電話番号交換したら、めっちゃ電話かかってきたんやって。」

 

あまりにも可哀想すぎて、さっきまであんなに笑いをこらえるのに必死だったのに、僕も段々悲しくなってきた。

 

更にショウジが続ける。

「で、彼氏おる。ってゆってたんやけど、しょっちゅう電話してきて、好きになったんやって。」

 

その子がその男に、本当に彼氏おる。って言っていたのかどうかは怪しいとこだが、その彼女も同じ町内に住んでいる子で、昔から知っている子なので、そこは信じたい。

 

黙って聞いていたヒロシが尋ねる。

「相手の男、誰か聞けへんかったん?」

 

「聞いたよ。一応。」

 

それを聞いた僕は、その時ばかりはショウジやるな~!と感心した。

フラれたその時に、相手の男の事を聞くなんて、メンタルが強いのか弱いのか。

僕がその状況になっても絶対に聞けないだろう。

 

「で、どこの奴よ?」

 

ヒロシのテンションが上がる上がる。

 

「〇〇中の山本っていう奴。」

 

「高校は?どこ行ってん?」

 

「いや、そこまで聞いてない。」

 

「〇〇中やったら友達おるで。聞いてみよか?」

 

そう言うとヒロシは電話を取り、掛け始めた。

多分、同じクラスの〇〇中に行ってた友達に聞いてるのだろう。

 

その様子を僕とショウジは黙って見ていた。

 

電話が終わり、ヒロシが興奮気味に言った。

「わかったぞ!下の名前も分かったし、電話番号も分かった。」

 

さすがヒロシ。仕事が早い。

 

「で?電話番号も分かったし、どうするショウジ?シバく?」

 

ショウジは目が点になった。