【青春爆走編08】爪跡残せず!の巻
こういう女の子がらみの時は、タツヤははっきり言ってあてにならない。
なので、タツヤグリーンはほっといて、タクブルーのソロ攻撃に出ることに。
「オッス!俺、タクってゆうんやけど、●●さんの友達やねんな。名前なんてゆうん?」
...孫悟空か!
と突っ込みたくなるような会話の切り口だ。
「えっ、私?〇〇ってゆうんやけど...」
「へ~、〇〇ちゃんはどこから通ってるん?」
「□□市やで。」
□□市か...
結構遠いな...
もし、もしも、付き合うってなったら遠いな...
とりあえず電話番号だけでも聞いとくか...
と一通りの妄想を終える。
「今度どっか遊びに行こよ。とりあえずまた電話するから、電話番号教えてよ。」
かなり恥ずかしかったが、勢いで言いきった。
すると意外な答えが。
「ちょっと待って、●●さんの友達やろ?今日は5人で来てない?」
「そやで。5人で来てるで。」
「さっき、ヒロシってゆう子とマコってゆう子に電話番号聞かれたで。教えてしまったけど。」
まさかのカブりである。
それにしても、ヒロシレッドとマコブラックは実に仕事が早い。さすが敏腕営業マン。
「まじで!ほんじゃ今度みんなで遊びにいこな。」
と社交辞令丸出しな感じでその場を去った。
もうそれからは、そんなにテンションもあがらず、面白そうなネタを探しながら校内をウロウロしていた。
そしてもう帰ろう、ということになり僕らは学校を後にした。ショウジだけはまだ残っていたので4人で帰ることに。
結局、なんの爪跡も残せず終わったが、女子高に入れただけでまあまあ満足だった。
...と、文化祭に行った時の事を思い出していたら、視界に紙袋が入った。