【出逢い編09】「彼氏?」
結局その日は僕は電話しながら、1時間歩いて家に帰った。
まさか電話をくれるとは思っていなかったし、実は近所で、警戒しながらもちゃんと喋ってくれたので、変な下心無しで純粋に嬉しかった。
そして最初の電話の日から3日後、夕方僕はあのパチンコ屋さんにいた。
彼女は5時で仕事が終わるのをわかっていたので、ここでちょっとだけ勝負に出てみる。
「一緒に帰れへん?」
彼女は了解してくれて、電車で一緒に帰る事に。
パチンコ屋さんを出たところで待っていると彼女が出てきた。
駅に向かいながら、ムカつく客がおる、とか結構時給いい、とか話していた。
駅のホームで電車を待っていると、彼女に誰かが声をかけてきた。
「ゆみちゃん!久しぶり!」
その女の子は高校の時の友達らしい。
「えっ!彼氏?」
「違う違う。知り合い。」
確かに、彼氏ではないけれど。
知り合ってまだ何日かしかたってないけど。
否定の返事のスピードが速すぎるんでは?
ちょっと喰い気味やったし。
と勝手にちょっとテンション下がったたくや20歳の5月であった。